「北京紀行」2009

 10月12日(月)
八達嶺(万里の長城)※
明の十三稜※  
昼食「北京国際ゴルフ」
頤和園(昆明湖)※
夕食「全聚徳」(北京ダック)
「李園劇場」(京劇)
 10月13日(火)
盧溝橋      
胡同散策(北海公園周辺)
昼食「四川飯店」
天安門広場、故宮(紫禁城)※
夕食「桂公府」(宮廷料理)
       ※は世界遺産


「北京」は北京原人からその歴史を説き起こしたらきりがない。中国古典を学ぶものにとっては秦から漢を経て隋・唐の時代までは西の長安が中心地と感じられるが、都市としては1300年、歴代王朝の都としても宋の後の元の初代皇帝(モンゴル帝国としては3代皇帝)フビライによって「大都」と名づけられ、明の一時期都が南の南京に移っているが、800年の歴史を誇る都である。盧溝橋にて端を発した日中戦争で8年占領下という動乱を経て、1949年10月1日、毛沢東が天安門城楼から新国家の成立を宣言し中華人民共和国の首都となって大発展途上にある。日本で言えば奈良京都に対しての江戸(東京)という感じなのだろうか。

2009.10.11
この建国60周年記念の行事が終わったばかりの北京を訪れた。
北京空港に降り立つと小雨が降っているかと思われるようにガスっていたが、これはスモッグと黄砂によるものなのだろう。オリンピックと60周年行事を終えて空港は綺麗に整備されおり、街にはいるや、林立する高層ビルや立体交差の自動車道が街のいたるところで見られる近代国際都市だった。


10月12日(月)

八達嶺(万里の長城)
全長6千キロあることから名付けられた「万里の長城」は中国No.1の観光地。まずはここを訪れる。
2200年前に秦の始皇帝によって建設が始まった万里の長城がレンガ造りになったのは14世紀の明の時代に入ってからというから意外と遅い。
今年の60周年の国慶節連休は中秋節と重なったため8日間の連休だったそうで、その時は身動きできない程に込み合ったという。
紅葉は始まったばかり。これから一気に寒くなるのであろう。


明の十三稜
明朝が北京に都を定めた後に即位した13人の皇帝が眠る墓所。
その中の「定陵」を訪れる。万歴帝と2人の皇后(孝端・孝靖)の陵墓である。地下数10mに作られた床・壁面・天井が大理石の玄宮という名の地下宮殿になっている。



北京国際ゴルフ倶楽部(昼食)
「北京国際ゴルフ倶楽部」は「明の十三崚」近くにあるゴルフ場。北京で最も古いコースとか。このレストランが味がいいということで訪れることになっていた。クラブハウスのレストランは窓が広く明るく気持ちがいい。窓からコースの向こうに人造湖(十三陵水庫)や周辺の丘陵も望むことができる。カメムシが多い。

頤和園(いわえん)(昆明湖)
中国国内で現存する最大の皇室庭園で、12世紀金代に皇帝の離宮として築かれたのが始まりといわれるが、西太后が避暑宮として莫大な戦費を流用して再建したもの。サマーパレスとしてその名が知られている。北側の万寿山と南側の昆明湖(人工湖)から成り立っている。湖畔から万寿山上にそびえる仏香閣を望む景観は、天安門、万里の長城、天壇公園などと並び北京を代表する風景という。湖を渡る風は確かに涼しいが庭園の広大さには驚くばかり。

「全聚徳」(ぜんじゅとく)晩餐(北京ダック)
北京といえば、「北京ダック」。「不到長城非好漢,不吃烤鴨真遺憾(長城を見ずして男に非ず、北京ダックを食さないのは遺憾の極み)」と言われている。
全聚徳は145年ある秘伝の焼き方で本場の味を守る北京ダックの老舗、その前門店を訪れる。
前門大街は、オリンピックにあわせて再整備された模様、商業歩行者の天国になっており、そこを老北京を象徴する「チンチン電車」だけがはしる。
全聚徳は大賑わいだったが、次の間のある個室が用意されていたのでゆったり味わえた。
アヒルの水掻き・心臓そのほか駱駝やフカヒレなどなど珍しいものを食した。
お土産にこの店の紹興酒の一種「花雕酒」(カチョウシュ、はなぼりしゅ)の十年物を購い、街で五福の箸のセットを購う。




「李園劇場」 (京劇)
夜は、京劇観賞。李園劇場は外国人向けらしい。テーブルがあってお茶を飲みつつ観劇出来るようになっている。

10月13日(火)

盧溝橋
豊台区を流れる永定河に架かる橋。清の乾隆帝直筆の『盧溝暁月』(橋から眺める夜明けの月は素晴らしい)の石碑があり、欄干には様々な表情をした石の獅子がいる。
日中戦争の直接の導火線となった発砲事件の起こった場所である。橋の中央部には昔日の石畳が一部復元されている。


胡同散策

胡同(こどう、フートン)とは、主に北京市の旧城内を中心に点在する細い路地のこと。都市整備や再開発で、保存地区とされる一部を除き改築や取り壊しが行われている。自転車タクシー(輪タク)での胡同めぐりが、新たな観光手段として注目を浴びている。街の一角にトイレがあって使っていたら、これは住人の共同トイレで、豪く叱られた。

「四川飯店」 昼食
店内に外国の要人が来店した際の記念パネルなどが飾られている老舗。香辛料を利かせた料理として有名な四川料理だけあって辛めだが、とてもおいしいと評判も高い。山椒の辛さが強い。郭沫若が扁額を書き、ケ小平が故郷の味がすると称えたという。


天安門広場と故宮(グウゴン)(紫禁城)
北京市の中心に位置する天安門広場は南北の長さが880m、東西の長さが550m。44万uの敷地に50万人とか100万人とかが収容可能という市街地に位置する広場としては世界最大の規模を誇る。
毛沢東記念堂・人民英雄紀念碑を横に見て広場へ向かう。天安門城楼は明朝清朝の皇城の正門であったが、1949年10月1日、毛沢東がここで新中国建国を宣言して以来、中華人民共和国のシンボルとなった。
ここは故宮(紫禁城)の入り口にあたり、次の世界最大といわれる午門の薄暗い通路をくぐり抜けると、そこに「故宮」が壮大な姿を現す。太和門を抜けて太和殿・中和殿・保和殿。
保和殿から乾清門を抜け、日常皇帝が過ごす内廷の乾清宮・交泰殿・坤寧宮・御花園が続く。
故宮の見学ルートでは一番最後にあたる珍妃の井戸を見ようと戻って九龍壁・寧寿門の所から入りなおす。
故宮は大雑把に見ても3日かかるといわれるがそうかも知れぬと納得する広さである。


「桂公府」晩餐(宮廷料理)
「桂公府」は西太后の弟(承恩公桂祥)が住んでいた四合院をレストランに改造した東城区の重点保護文物の指定を受けている建物という。中は大きく幾部屋もあるようで庭も屋敷も雰囲気の楽しめる店であった。満漢宮廷風と茶料理が有名という。
一回りした皿を見たら味塩で「桂」が記されていた。
それにしても昼も夜もよく飲みよく食べた二日間であった。
三泊四日と言っても中二日で北京の有名所を回ったのだったが、北京在住の案内人ともども気心知れたものの集まりであって気安く過ごせた旅でもあった。

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