「桜物語U」
奈良・大阪・京都 2007

   2006年の桜物語の続き。
 「青春18きっぷ」が今年は8000円の特価。
 この切符、去年は買い損なってしまい夜行バスを使ったが、今年は三月中に買っておいた。
 利用期間は十日までだったので、桜の開花にあわせて、5日から9日へかけての旅行となった。

旅程
4/5
東京7:24----9:20熱海9:38----10:16富士10:30----11:50掛川12:00----13:02豊橋13:07----14:34大垣14:39----15:14米原15:24----16:43大阪16:52----17:07新今宮
4/6
新今宮9:06----9:44奈良--桜井--三輪--奈良--新今宮
文殊院・談山神社
三輪の山の辺の道・平等寺・大神神社帯解寺佐保川岸奈良公園
4/7
新今宮9:06----王子--高田--吉野口--近鉄吉野----大阪・桜ノ宮--新今宮
吉野山・大川岸造幣局通り抜け大阪城
4/8
新今宮9:09---9:25大阪9:30----9:58京都--保津峡--嵐山--京都--二条--京都
保津峡駅・清涼寺・落柿舎前・二尊院・亀山公園・嵐山・天竜寺・渉成園・神泉苑・二条城
京都20:30----21:22米原21:54----22:25大垣23:01--(ムーンライトながら92)--4/9日5:20東京


四月五日
東海道線の伊東行きは特急車両を使っている列車を選んだ。東京駅並んでいて発車時には満席になっている。途中はラッシュ時間帯で満員状態が小田原まで続く。小田原以降、早川真鶴間の海は春の光を受けてきらきら輝いていた。桜は前日の雨で大分散った様子だがそれでも散り残った桜を車窓からあちこちに見られた。熱海で乗り換え、更に富士で乗り換えようとしたら事故があって列車がつながらなかった。静岡までの列車に乗るがこれは満員。30分立って静岡で接続列車に乗ろうとしたが、これも満員。一列車見送くると、10分もしない内に折り返しの列車が到着、こちらはガラガラでのんびり浜松へ出る。
18きっぷは昔は鉄道ファンの少年とおじさんの利用だったが、切符を持っている人たちを見ると中年過ぎの女性が多い。

 春の陽を浴びて車窓に花を追う
 車窓過ぐ春の山辺のやはらかく
 酔眼の春に棚引く富士の雲
 
天竜川の緑の鉄橋を心地よく渡り浜松で乗り換え、豊橋で食事。その後新快速で大垣へ向かう。
東京静岡間では散っていた桜は名古屋辺りは満開、関が原を過ぎると七分咲き。
米原からは新快速で大阪へ、環状線に乗り換え新今宮には6時前に着いた。
ホテルに直行する。部屋は四畳半よりちょっと小さめか、意外ときれいであった。風呂も大きく気分好くして、通天閣下のじゃんじゃん横丁に夕食に出る。
くしカツ屋の一品は安くておいしいが、適当に頼んでいると意外と値がはった。
ホテルのPCは2台でいつも誰かが使っている状態。ホテルは外人(白人東洋人それぞれ多い)が半数以上の感じで、日本人は若い人と老人?でビジネスホテルと名乗る割りにビジネスマンはちらほら。
熱海駅前  米原で北陸本線からの列車接続  ホテルの部屋 


四月六日
コンビニでおにぎり肉まんお茶を買って、新快速で奈良に向かう。春霞の下のんびりした景色が広がる。先ずは「桜」を名に持つ桜井線に乗り換えて桜井駅へ。安倍文殊院(あべもんじゅいん)に向かう。途中若桜神社・土舞台なるものあり。
文殊院
ここは陰陽師安倍晴明の天文観測の地と知られ、境内のサクラが一望でき、遠くに大和三山の香具山・耳成山・畝傍山が展望できる。ここは満開の桜に包まれて落ち着いていた。老人達がリハビリの訓練をかねての花見をしている。

若桜神社

土舞台

土舞台

談山神社(たんざんじんじゃ)
桜井駅からバスて25分。談山神社のある多武峰は、近世から吉野・長谷につづくサクラの名所として知られ、境内に点在する社殿とサクラとの調和の美しさが特徴というが、ネット情報では3分4分咲きとあったので訪れたが、まだまだであった。駐車場の人の話だと鳥がみんな啄ばんでしまって今年はよくないという。また、珍しいウスズミザクラは、桜井市指定の天然記念物で樹齢600年といわれる名木だが、これも数えるほどの開花。ここに向かう間に見える山すそに咲く桜が趣があった。

ウスズミザクラ

ウスズミザクラ

途中の山裾に見る桜

三輪の山の辺の道・平等寺・大神神社(おおみわじんじゃ)
三輪山に点々と咲くヤマザクラを望む。


帯解寺(おびとけでら)
帯解駅という名に惹かれて降りる。サクラと雪柳とあいまって美しいというが‥小さなお寺だった。

佐保川岸 
奈良駅から10分程のところだがここの桜は地元の人にしか知られていないのか、驚くほど観光客はいない。奈良女子大の一グループが花見の宴を開いていた。夜にライトアップを見るつもりでいたが、奈良公園を歩いて疲れてしまいやめにしてしまった。


奈良公園(東大寺大仏殿二月堂・春日大社・若草山・興福寺) 
ここはざっと一回り

四月七日
新今宮から高田へ向かう途中次の列車でも接続は同じになるので香芝で下車、駅前の桜を見て次の五条行きに乗ったが、これが二両でほぼ満席、ここで乗り換えて正解だった。吉野口から近鉄に乗り換えるとき往復の切符を買う。帰りは切符を買うのに並ばなくてすんだ。なにせ吉野は土曜日ということもあって人人人‥
吉野山
今年の吉野山の開花は、平年よりやや早く、下千本、中千本が満開、上千本が6・7分咲きであった。雨模様で傘を差したり莟めたりだったが、蔵王堂あたり店前は人を掻き分け進むといった混雑ぶり。食事する気になれず下山。ロープウエイの上りは一杯だが、まだ下山する人は少ないので乗ってみることにした。ここは朝一番できて昼には帰るというのがよいだろう。吉野の郷も川沿いに桜が咲き花見の宴席が作ってあったり、里一帯あちらこちらに桜が目にはいる。


吉野口付近(車窓)

吉野口駅前

吉野口駅前

大阪・
大川岸 
大阪に戻ってきたら雨。予報ではこんなに降るとはいってなかったが、昼から宵まで降っていた。桜ノ宮で降り、大川の流れに沿ったプロムナードにはいる。桜並木が続いており、ここは夜遅くまで沢山の花見客で賑わう。大川河畔のOAPタワーでは38階の展望台が無料開放されていて、いろいろな催し物があった。上から見ると街は雨に煙っている。雨が強いので本屋に立ち寄ると横に休憩場所があってゆったりタバコをすいながらコーヒーが飲めた。ほかのレストランや喫茶店が込み合っていたのに比べ静かでゆっくりすごせたばかりかなんと言っても自販機のコーヒー100円で済むのがありがたい。

造幣局通り抜け
いくらか雨が弱まったので延々続く屋台の間を縫って造幣局へ回る。ここの通り抜けはいつも押し合うほどの人で一杯だが、雨のためか思ったほど混んでいない。雨に濡れた桜ではあるがゆっくり写真をとることができた。今年の桜は124品種370本。とても写真は撮りきれない。

大阪城 
ライトアップは四日までだった。小雨の中一回り。

暗くなって雨はやんだが、ライトアップを見に行く気にはなれず、新今宮に帰る。クアハウス「スパワールド」の特別キャンペーン1000円(普段は2700円)にはいるか迷うが、その分飲むことにしてジャンジャン横丁で夕食。帰りにおでんも買った。テレビをつけて本を読んでいたらいつの間にか眠ってしまい、夜中の3時過ぎに目が覚めた。

四月八日
大阪駅に出て、朝食。京都に向かう。山崎辺り、山の色も桜の点景を得てのどやかで優しい。この辺り裏山と街が一体になって気持ちのよいところ。京都駅に着くとここは人があふれていた。
保津峡駅
嵐山に向かうが一駅先の保津峡駅に行ってみた。

嵯峨野嵐山
嵐山駅を降りたらここも人ばかり、渡月橋方面には行く気にならず、清涼寺に向かう。
清涼寺「嵯峨の釈迦堂」は梅が名高いが桜もあったような気がして行ってみた。

嵯峨野落柿舎前

二尊院
紅葉の名所として知られ、百人一首ゆかりの、藤原定家の時雨亭跡とされる場所もある。

嵯峨野から亀山公園・嵐山へ
裏道も混んでいる。野々宮神社への竹林は人が一杯で向かう気になれなかった。

天竜寺
多寳殿を取り囲むように、ソメイヨシノやシダレザクラが植えてあり、枝垂れの美しさは圧巻。

東本願寺・渉成園(枳殻邸)
静かに桜を見ようとお東さんの別院枳殻邸に向かったが、閉門時間が4時かと思ったが3時30分であった。これまで本願寺の受付で札をもらえば無料では入れたのだが入口に受付が作られ昨年の10月より500円の拝観料を設定したという。聞いてみると今日の入場者が1500人を超えたという。テレビやパンフでの報道の影響が大きい。観光客のあまり訪れない静かな場所がだんだん少なくなる。

ここで時間が余ったがもう一所寄る気になれず、駅近くに戻り休憩しようと思うがなかなか静かなところが見つからない。ホテルのロビーに行っても人があふれている。音楽のうるさい喫茶店で休憩となった。

神泉苑
源義経と静御前が出会ったところでもあるらしい。二条駅から二条城に向かう途中の10分ほどのところにある。

二条城
ライトアップされているというので出かけたが、二の丸本丸の庭園には入れなかった。


帰路
京都20:30----21:22米原21:54----22:25大垣23:01--(ムーンライトながら92)--
4月9日5:20東京着。桜だけを見た旅行であった。

  傘に付く花びら惜しむ花見後

とにかく安上がりにと計画した予算三万円の旅行
(これは若い人の参考にと記した。老人としてはおよそみみっちい旅行であるが、外国から来ている人たちをみているともっと倹約して楽しい賢い旅行をしている)
大阪に三泊する予定を組んだ。会員になっている京都の旅館は割引率が低い日と満杯だったため、新今宮の安宿(ビジネスホテル)に3連泊。

会計概要
 ・交通費 青春18きっぷ(8000)+吉野口からの近鉄(370×2)とバス&ロープウェイ(350×2)+バス460×2=10340円
 ・宿泊費(素泊り)     2300×3日=6900円(安いところは1800円からあった)
 ・食費 朝昼晩三食を  3000×4日=12000円(モーニングサービス350+昼750+夜1400なら一日2500円これに・飲料(コーヒー・お茶と酒・つまみ))
 ・拝観料(談山神社・二尊院・天竜寺・二条城)  2000円
 こんな感じだが、これ専用にしていた財布に十円玉と一円玉が何枚か余っている。食事を安く上げた為かと思う。(実際に夕食を700円で十分食べられる定食屋を見つければ800円くらいは飲めた)