「桜物語V」
2009
大阪周辺 城跡廻り 
 2007年の桜物語の続き。
 「青春18きっぷ」での節約旅行。

・和歌山城・播州赤穂城・姫路城・
・明石城・大阪城・大和郡山城・
・彦根城・長浜城・
・粉河寺・紀三井寺・
・夙川公園・三井寺


「青春18きっぷ」で今年も京都へと思い、三月半ば「ムーンライトながら」の状況を調べてもらった。その時はこちらの計画と合った空席が無く今年は諦めていた。念のためともう一度三月末日に空席があるか確かめてみると6日夜発・10日朝着で空きがあったので、「青春18きっぷ」で出掛けることにした。いつもの貧乏旅行(節約旅行)である。なお「ムーンライトながら」はこの春から臨時列車となった。往復満席であった。


2009.04.07
岐阜駅付近で真っ赤な日の出を見る。
車窓から見える桜はどこも満開状態。
大阪のホテルのある駅の貸しロッカーに荷物を預け、和歌山に向かう。
紀州にはいると山々が山桜に彩られ車窓は見飽きることがない。
和歌山から紀の川市の粉河に出る。


粉河寺

今回の旅ではじめに訪れた粉河寺(こかわでら)は天台系の寺院で、西国三十三箇所第三番札所。重要文化財の大門、中門、本堂、千手堂があり、この建築物を囲んでサクラが咲き誇っていた。庭園は巧みに断絶を利用した石組みと植栽をあわせた珍しいもの。

一廻りして和歌山に返り、紀三井寺に向かう。

紀三井寺

紀三井寺は、唐の僧、為光上人が宝亀元年(770)に開山しという。早咲きの桜で有名で、開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木が本堂前にあることから、「近畿地方に春を呼ぶ寺」として知られているという。こちらは西国三十三箇所第二番札所。日本さくらの名所100選。
芭蕉が、紀三井寺に花見にきて、散り始めていた桜を仰ぎ、「みあぐれば桜しもうて紀三井寺」と詠んだ句碑がある。染井吉野800本、八重桜50本、彼岸桜50本など、およそ約900本の桜があるとパンフレットに書いてあるが、みな満開の様子。ライトアップもされる様子なので夜桜も楽しめるのだろう。一気に上がったので石段に汗をかいた。三つの井戸があるので三井寺だが、近江の三井寺と区別して紀三井寺と名づけられたそう。

この後、また和歌山にもどり、城跡に向かった。

和歌山城

和歌山城は徳川御三家の一つ紀伊徳川家の居城、その城跡に広がる公園は桜の名所で、桜まつりも開催される。夜間にはライトアップも行われ、夜桜を楽しむこともできる。二の丸の芝生の上でのお花見が好評。眩いばかりの桜が、三層の白亜の天守閣に映える。600本ある。




2009.04.08
今日は疲れているので、大阪城公園でゆっくりするかと出掛けたが、乗った電車が播州赤穂行きだった。そのまま赤穂に出る。温泉への送迎バスもあったが、やはりお城に行くこととした。

播州赤穂城

大石神社は観光ツアーが多い。播州赤穂城の跡は白亜の二層の隅櫓があるだけだが、桜の下で寝転がっていると色々の鳥の囀りが聞こえる。早くも燕の子どもらしいのまで飛んでいる。

これで和歌山城・赤穂城そして姫路城に行くことになれば、今回の旅は城跡の桜を訪ねてというものになりそう。

姫路城(白鷺城)

その白鷺城・姫路城内には、染井吉野や山桜、枝垂桜(シダレザクラ)など約1,000本あるという。日本さくらの名所100選。来て見ると桜も人も咲き乱れている。ようよう登った天守閣は動きがとれないほどの混雑。
西の丸庭園の枝垂桜が見頃となっていた。この千姫の化粧廊には初めて登った気がする。何処も満開であまりの見どころに、疲れるほど。城も桜に包まれている感じであった。今は「さくら祭り」が催され、姫路城西の丸庭園の夜桜見学会や西の丸庭園のライトアップなどがあり、夜桜も楽しめるが、夕陽をが浴びるのを待って、明石にむかう。


明石城跡

こちらも日本さくらの名所100選に選ばれている明石城跡の明石公園は国指定文化財の櫓を中心に変化に富んだ丘や池、濠などと調和し、桜が剛の池を中心に約,200本が植えられていて見応えもある。

この明石城跡にはちょっと立ち寄った感じで、夙川に夜桜を見に出る。

夙川公園
夙川公園に来てみると、明石では宴会準備に荷物を提げた人々が集まり始めていたが、こちらはもう夜になっていたから、川の両岸、南北2.7kmにわたり1,660本の桜並木が続く中、お花見の宴会がどこまでも続く。ここも日本さくらの名所100選。写真はどうもうまく撮れない。



2009.04.09
朝、園内には約4300本の桜があるという大阪城公園を散歩して、城跡を訪ねる旅にしようと大和郡山にむかう。

大阪城公園

大和郡山
大和郡山城は信長が筒井順慶に築かせた城、天守閣はないが復元された追手門や隅櫓がある。お城祭の最中で屋台が並び賑やかであった。桜は何処も満開。日本さくらの名所100選。
街は整った城下町の面影を残していて、またそれを活かした新たな整備が行われていて、落ち着いて静かな街であった。


今回は京都はスルーなので昼食だけでもと京都にむかい、食事で京都を味わう。
京阪電鉄は浜大津付近では路面電車となる。



三井寺(園城寺)
「三井の晩鐘」で名高い通称三井寺、園城寺に寄る。和歌山で紀三井寺に寄ったからでもあるが、こちらは「御井」(みい)の寺と言われていたものが転じて三井寺と言われるようになったらしい。なにやかや国宝や重要文化財、唐院や三重塔となかなか見所多い。ここも関西では有数の桜の名所としても知られ、1000本と言われる桜がいっせいに咲き誇る。門前の琵琶湖疏水両岸の桜も素晴らしい。

彦根城
次に、さすがに城跡の桜も食傷気味ではあるが、帰り道ということでもあり、彦根城に寄る。金亀(こんき)城とも言われる彦根城の夕景に映える天守閣はなかなか。姫路・松本・犬山とともにこの天守閣は国宝とか。陽の沈む琵琶湖も美しかった。 やがてライトアップの時間になり、お堀のまわりに灯が灯る。お堀に「屋形船」もあった。

彦根を見てやはり、長浜城もと思い足を延ばした。


豊公園(長浜城)

豊公園は、長浜城の天守閣跡を整備して公園になっている。たくさんのぼんぼりに灯が入り、雰囲気がある。ここは地元の人々の楽しみの場であるようで観光客や騒がしいグループがみられない。家族の和やかな花見風景は今は貴重だと思われる。ここも日本さくら名所100選。月が城にかかる様も趣があった。


今回の旅はここまでで、名古屋に出てそこでなぜかお土産を買ったところで終了。
予定していて訪れたのは、粉河寺と紀三井寺と姫路と夙川公園。京都の桜は車窓からちらと見ただけでまるで立ち寄らなかった。
それに対して、2日目赤穂城に足を伸ばしてしまったことから、桜名所の城廻となり、和歌山城・播州赤穂城・姫路城・明石城・大阪城・大和郡山城・彦根城・長浜城と八つの城跡を訪れることになってしまった。ホテルでネットで調べるとすぐにリストが出来るのは便利この上ないが、こう数が出てくるとそれに引きずられてしまう。もう頭の中が混乱している。
全日好天に恵まれたが、夏日に近く汗をかいて歩き回ることとなった。九日は下車駅の度に駅のロッカーに荷物を預けて出掛けた。昔は荷物を担いでいても苦にならなかったのだが、これが楽に旅するコツかと感じた。


経費
三万円で計画していたが、余裕だったので、今回はメモを取っていない。

「青春18きっぷ」  11500円
宿泊(朝食付き・2泊)2400×2 4800円
ながら指定 510×2 1020円
京阪・バス等 1000円
拝観料 2000円
ロッカー代 300×5 1500円
食事(朝1・昼3・夜3) 5500円
その他・飲料と食料 2500円
 29820円
  実際はこれより掛かっていない。